1.主 旨

今日ほど、社会諸科学がその社会的責任を果たすことを必要とされている時代はない。とりわけメンタルヘルスの問題は、慢性化する内戦や犯罪に始まり、薬物依存、弱者虐待、閉じ込もり、抑うつ、仕事中毒、セックス中毒など、国の内外に山積している。

これまで産業社会を支えてきた近代科学技術は、感情を極力排し、事柄のみに基づいて判断し、評価する秩序を作り、豊かなモノの生産と消費の基盤を発展させた。しかし、そうした感情を排する秩序を徹底して作れば作るほど、人と人との共感する心は失われる。そして、「自分の持つ本当の感情は何か」を見失い、無気力に閉じ込もったり、あるいは食、セックス、地位などの快感を求めることに逃避したり、弱い立場にあるものを差別しさまざまな形の暴力を加えるのである。ところが、これらの問題は、これまでの各ローカル社会における従来の秩序の在り方では、解決できなくなってきている。

そこで私達は、自分や相手の本当の感情を見いだし、共感し合うメンタルヘルスを求めている。それを個人にとどまらず、集団、社会に、さらには文化として実現する具体的かつ実践的な対応策を導き出すには、精神保健社会学の理論と方法論が必要となる。
学会長には、筑波大学の宗像恒次氏が選出され、理事達の顔ぶれも社会学、心理学、保健学、看護学、社会福祉学、精神医学、公衆衛生学と多岐にわたっている。
さまざまな分野の方々が、入会下さるよう期待している。


2.指 針


1. メンタルヘルスの背景となる社会・文化的構造と変動を、社会学的な視点から 研究をすすめて、
  世論の形成に寄与し、社会的貢献を果たす。

2. 大会やイベントにワークショップ形式を導入し、学会の運営に会員が積極的に参加する。

3. 国際的にも仲間作りをすすめていく。

4. 建前を排し、本音で語り合える仲間や研究グループを形成する。

5. 社会学を専攻する学生達に、夢を与えるような仕事をする。

6. 大会やイベントごとに論文や本などをまとめて出版し、成果を社会に還元していく。



 

運営委員(五十音順、敬称略)
会   長 宗像 恒次 (情動認知行動療法研究所 筑波大学名誉教授)
副 会 長 武藤 清栄 (東京メンタルヘルス 所長)
副 会 長 畠中 宗一 (関西福祉科学大学大学院 社会福祉学研究科 教授)
理   事 窪田 辰政 (静岡県立大学 薬学部 准教授)
滝澤 武 (帝京大学理工学部 准教授)
服部万里子 (服部メディカル研究所)
  上田 敏子 (愛媛大学 教育学部)
  新行内 勝善 (東京メンタルヘルス・カウンセラー)
  鈴木 裕子 (桐生大学 講師)
  殿山 希 (筑波技術大学 准教授)
  山口 豊 (東京情報大学 大学院 指導教授)
  山本 美奈子 (山形大学 准教授)
  谷口 清弥 (四條畷学園大学 看護学部 准教授)
  中嶋 一恵 (筑波大学発ベンチャー株式会社SDS SAT情動認知行動療法研究所)
監   事 潮田 英子 (神奈川大学外部カウンセラー)
野本 薫史 (APC朝日パーソナリティ・センター)
編   集 窪田 辰政 (年報編集委員長・ニュースレター編集副委員長)
  滝澤 武 (年報編集副委員長)
  新行内 勝善 (年報編集副委員長)
山本 美奈子 (ニュースレター編集委員長)

  日本精神保健社会学会会則